腕時計を見ながら慌てたように叫ぶ海斗。彼はそのまま 藍の腕を掴んだ。 「早く戻るぞ!」 海斗は走り出そうとするが、藍は中々動かない。 「おい!早くしねぇとっ………藍…?」 「……呼んでる…」 動かない上に、桜を見上げたまま訳の分からない事を呟く藍に海斗は怪訝な表情を浮かべた。 藍…? 「呼んでる…」 「何が呼んでるんだよ?」 「分からない…だけど、呼んでる…」