キミがいた夏~最後の約束~




「名前なんていうの?」


「は…長谷川です」


「いや、下の名前」


え?下の名前?言うの?

まあそうだよね名前ぐらいは言うよね


「…美鈴です」


「美鈴ちゃんかぁ〜かわいい名前だね」


「ありがとうございます」


スマイル0円、スマイル0円



他のお客さんもいなかったせいで


それから10分ぐらい注文を取りながら話をしてやっと解放された…


ああ…なんだか疲れた


「トビーさん、オーダーです。アイスコーヒー2つとシーフードパスタお願いします」


トビーさんにオーダーを伝えた後、カウンターに戻ると橘先輩がいつの間に来ていたのか座って雑誌を読んでいる



「あ、先輩、今日も早く来てくれたんですね」


「…………」


サーフィンの雑誌を無言で見つめ続ける橘先輩



あれ?雑誌に夢中で
聞こえなかったかな?



私はそんな疑問を抱きつつ
トビーさんのパスタが出来るタイミングを見計らって、アイスコーヒーを馴れない手つきで用意する


そして作りながらもう一度



「先輩、サーフィンは楽しかったですか?」


「…………」


そう聞いてみたけれど返事は相変わらず返ってこなくて…


え?もしかして無視されてる?


どうしよう…


私、何かしたっけ?