キミがいた夏~最後の約束~





「え…?何…?」

まったく意味がわかりませんって顔で先輩の顔を見る私


「携帯電話、欲しいだろ?」

橘先輩はまたあのニンマリとしたイタズラッ子スマイル


え?


携帯電話…?


そりゃ欲しいけど


強がってはみたけれど


橘先輩と電話やメールしてみたいですけど



「俺が買ってもいいけど…」


さすが老舗呉服屋の息子(綾香情報)


でも私はその言葉にすぐにンブンと顔を横に振った


先輩にそんなことさせられない


とんでもない


「だろ?そー言うと思ってさ」


なるほど…

テイクオフでアルバイト…

考えてもみなかった


「えー!美鈴ちゃんが来てくれるの?ホントに?」


そんな声が聞こえてそちらを見ると、何かを期待したようなトビーさんの顔



「あの…よろしくお願いします」


私はその顔を見て反射的にそんな言葉が口をついていた


アルバイト…


いいかも


すぐに家に帰らなくていいし


お金はたまるし


何より毎日、先輩の近くでいられるなら