橘先輩の顔はいつものイタズラッ子の顔
「もぉ〜!」
私は余裕の先輩の顔が悔しくて顔を真っ赤にしながら
思わず繋いでいた方の手を振り上げて、先輩の背中をバシッっと叩いた
「いてっ」
あ…
手が離れちゃった…
少しの間、自分の手を見ていると
そんな私の考えを読み取った様に先輩が私の手を再び掴む
「よし、いいこと考えた」
「え?なんですか?」
「テイクオフに行くぞ」
「?…はい」
橘先輩はそう言ってブランコから勢いよく立ち上がると
私の手を引っ張って歩き出した
その時、ふと教室に会いに来てくれた時のことを思い出す
あの時はこんな風になるなんて思わなかったなぁ…
つい昨日のことなのにすごく前のことのように感じる
「あ、それと敬語は禁止ね」
橘先輩が振り返って笑いかけてくれる
私はその言葉に精一杯の笑顔で答えた