キミがいた夏~最後の約束~





「美鈴がうらやましかった…」



私は静かにその言葉に耳を傾けていた



「先輩のこと、全然気にした素振り見せないのに

いつの間にか仲良くなってて…」



綾香も静かに顔をあげて聞いている



「綺麗でやさしくって…嫉妬してた…」



久美が涙を拭う




「…でもね…


先輩のことより…


同じクラスの私が気になってた男子が…

美鈴を好きなんだって聞いて…」





久美…






「…くやしくて…なんでいつも美鈴なの?…

そんな嫉妬で…メチャクチャになっちゃって…」




どうして気づかなかったんだろう





「笑ってる美鈴見てたら…真っ黒な感情だけが…沸いてきて…

少しだけ…困らせてやろうって思った…」






私はこの感情を一番知っていたはずなのに…