キミがいた夏~最後の約束~





「う…ヒック…ごめ…ごめん…な…さい…ヒック…」


泣きながら、言葉にならない謝罪をする久美


綾香は久美の肩から手を引いて、ゆっくり後ずさった


「どうして…?」


「どうして久美がこんなことするんだよ!」


綾香も泣き出してしまった


私はそのままその場所に縫い止められたように動けなかった


どうしてこんなことになってしまったのか?
そんなことをボンヤリ考えながら


でもその答えはいつまでたっても出ることはなかった



もうホームルームは始まっているだろう



校舎はシンと静まりかえっている



また誰も話さない



泣き声だけが沈黙の中に静かに響く



そしてどれぐらい時間がたっただろう?




久美がゆっくりと口を開いて喋り始めた