キミがいた夏~最後の約束~





「だからぁ~あたしじゃねーし!」


近づくと何か言いあいをしている


内容は…
聞かなくてもわかる、私のことだろう


「いいかげん白状しなって!あんた以外にあんなことする奴も知ってる奴もいないんだよ!」


「はぁ?あんなの小学校一緒の奴だったら誰でも知ってるつーの!ばっかじゃねー?」


橘先輩に話しかけてる姿からは想像できないほど、顔を歪めて悪態をつく春奈



「だから知ってる上にあんなことする動機があるのなんか、あんたしかいないでしょーが」



私と久美はそんな二人のやり取りを見ながら近づいていった


「綾香、もういいよありがとう、もうやめよう?」

私は綾香を宥めるように声を掛けた


「そうだよ綾香、こんな言い争い美鈴も困るだけだよ?」


「だって許せないんだもん!せっかく美鈴が笑うようになったのに!
こんな下らないこと蒸し返されて!」


いつも気丈な綾香の目に浮かんでいる涙


それを見ていたら私まで胸か締め付けられた


ありがとう、綾香


こんなに、こんなに心配してくれて本当にありがとう