キミがいた夏~最後の約束~






私は勢いよく教室を飛び出していた



先輩の瞳から逃げるように全速力で校舎を走り抜けた



ううん…全てのことから逃げ出したかったのかもしれない




重い…重い…


犯してしまった罪から…




橘先輩が追い掛けて来る様子はない



たぶん呆れてしまっただろう



こんな恐ろしい女に、2度と近づきたくないと思っただろう



私は何も考えずにただデタラメに走った



走って行く途中、綾香とすれ違ったことも知らずに