その次の日から
綾香とは近くの公園で待ち合わせをするようにして、毎朝通っていた海に行かなくなった
別に橘先輩と約束をしていた訳でもなく
それだけであっさりと橘先輩との接点はなくなってしまった
放課後は放課後でテイクオフではなく
綾香と久美とで街に出かける
会わないようにすればそうなるもので
時々会っていた移動教室も
食堂でも
見かけることすらなくなってしまった
2、3日は見られることや陰口を言われることもあったけれど
橘先輩と会わない時間と比例して
噂もそのうち終息していった
橘先輩と会わなければ、とても静かな日々
これが本来の私
あんな人と係われたこと自体奇跡なんだ
いい思い出として、また普通の日々を暮らしていく
私にはこれがお似合いなのだと納得していた
気がつくと、あの夢のような1週間から
さらに1週間が過ぎようとしていた
ある日の放課後…



