キミがいた夏~最後の約束~




え!?


は!?


何!?


ちょっと待って!!



全員が口を開けて私たちを見ている


どういうことなのかさっぱりわからないけど、とりあえず先輩の腕から素早く離れようと


あれ?



離れようとしているのに先輩が逃がしてくれない



上を見上げると、先輩も私を覗き込みながら、イタズラッ子のような笑顔を向ける



「先輩…ふざけてる場合じゃ…」



「ふざけてないよ」



は?




ガチャンッッ━━!!





大きな音がしてそちらを振り向くと、春奈の近くのカウンターに置かれていたはずのオレンジジュースが床に落ちて割れていた


ぶつかったのだろう



春奈はこちらを…いや、完全に私をギリギリと睨みながら、怒りにかわいい顔を歪めている


『なんであんたなの!?』って顔



そうしてそのまま踵を返し、ドアから最初の勢いそのままで出ていった