キミがいた夏~最後の約束~





「まあ…皆、他のお客さんもいるし、ちょっと落ち着こうか?」


遠慮がちに喋り出すトビーさん


店内にいるお客さんはというと意外にも、楽しそうにことの成り行きを見守っていた


まるでいつものこと…っとでもいうように



橘先輩は春奈の手をそっと解いて歩き出す



そしてドンドン近づいてくる



私のところへ



え?

私?



何がなんだかわからない私を
気にした様子もない橘先輩はニッコリ笑って
私の手を掴むとグイッと無理矢理引っぱった


「わあ!」

その衝撃でイスから外れてヨロけそうになる私

そしてその勢いのまま橘先輩のその広い胸に抱きしめられていた




え?




「俺、今この子に夢中なのまあ、こういう問題」






え━━━━━!!??