キミがいた夏~最後の約束~




そんなことを考えながらオレンジジュースがグラスに注がれていくのをボーッと眺めていると
お店の扉がまた勢いよく開けられた


バターンッッ━━━!!

チリリーン━━━‥‥…!!!



今日は忙しい日なんだなっと思いながら扉に目を向けると
そこには『春奈』が立っていた



え?春奈?

綾香と私は顔を見合わせる



春奈はその勢いのまま、トビーさんからジュースを受け取ろうとしている橘先輩の背中へタックル…
いや抱きついた



「うお、え!?」


「橘先輩、なんで春奈じゃダメなんですかー!?」


「は?」


「春奈、こう見えてエッチも上手ですよぉ~?」



橘先輩以外、全員赤面



なんちゅーことを公衆の面前で


「何あいつ!?こう見えてって!どう見てもそっち好きに見えるわ!」

小声で悪態をつく綾香に苦笑する




「いや、そういう問題じゃなくて…」


「どういう問題ですか?私、橘先輩の近くでいられれば、別に彼女じゃなくても大丈夫ですよ♪」


苦笑する橘先輩、猫なで声で食い付く春奈


すごい…


なりふり構わず先輩に突っ込んでいくそのガッツ(?)に私は半ば感心していた



「だからそういう問題でもなくて…」


「加奈先輩はよくて、どうして私はダメなんですかー?」



加奈先輩!?