キミがいた夏~最後の約束~




「トビーさんは昔、サーフィンでかなりいいとこまでいった人だよ」



私の疑問より先に答えがかえってくる


見ると料理を運び終えた橘先輩が私の隣に座るところだった


「あ~疲れた、授業サボったつもりが地味に働いた」


先輩が突っ伏しながら目だけこちらに向けジッと私を見つめる


必然的に上目使いになったその瞳に見つめられてドキリと心臓が跳ねた



この人、無自覚?それとも計算?


私は恥ずかしさですぐ瞳をそらすと、そらした先にすると丁度、トビーさんが厨房から出てくるところが目に入った



「お?美鈴ちゃん、いらっしゃい!
あれ?こちらお友達?」


「あ!はい!はじめまして!美鈴の友達で相原綾香っと言います!」


綾香が元気よく自己紹介するとトビーさんも自己紹介を返していた



「トビーさんいい加減、人雇えよ~」


「そうは言ってもあんまりイイコがいねーんだよ!
お前目当てのコばっかで…

って、おい!渚!美鈴ちゃんと綾香ちゃんに何も出してないじゃねーか!」


「へいへい」


先輩が私の横から立ち上がると
トビーさんが「オレンジでもいい?」っといいながらイソイソ用意してくれる



先輩目当かぁ…そうなるよね、普通