キミがいた夏~最後の約束~





放課後になり、悔しがる久美と校門で別れて綾香と私はテイクオフに向かう


「早く早く~」


「綾香!そんなに急がなくても大丈夫だって!」



午後から降りだした雨は降ったりやんだりでハッキリしない天気が続いている


なんだか私の気持ちみたい



「あ~楽しみ!先輩とお近づきになれるなんて夢みた~い♪」


綾香の弾んだ気持ちとは裏腹に、私はどうも喜べない

新しいことをするのをなんとなく躊躇ってしまう


ズルズルと綾香に引きずられる形でテイクオフに着く



「あ?ここ?こんなとこあったんだねぇ~うわぁ~緊張する」


「綾香、お先どうぞ」


「はぁ?昨日入った美鈴が先に入ってよ」


「え!さっきまでノリノリだったんだからいいでしょ!入ってよぉ」




「邪魔なんだけど!」




綾香と顔を見合わせなが、『私は言ってないよ』っという目でお互いを見る



っともう一度

「入るの?入らないの?」



声の方を向くと、綺麗な女の人が立っていた