「うーん…なんでって聞かれても難しいかも…」
橘先輩は上の方を見ながら困ったような顔をして言った
「なんとなく…そこに美鈴がいたから?」
「そこに山があるから的な?」
「…そうかな?」
「それってナンパですよね?」
「ハハッ!そうそう」
綾香と橘先輩が楽しそうに話している
それなら私はそのナンパにノコノコ付いていったバカな女ってこと…?
なんか…
そんな理由なのはわかってたつもりだけど
なんでこんなに落ち込んでるんだろう私…
「あ、でも…」
そう言って橘先輩が私の方をじっと見る
「え…?」
私は何のことかわからなくてその瞳を見つめ返した



