キミがいた夏~最後の約束~




━━━━――…‥

━━…ザワザワ………‥

━…‥ヒソヒソ…‥‥


見られてる…かなり見られてるよ…


ため息混じりに隣をチラリと見る



橘先輩と綾香は直ぐに打ち解けたらしく、何やら楽しそうに話している


「え〜そうなんですかぁ〜アハハハハ〜」

今まで聞いたことのないような綾香の少し高い声が聞こえる


その間も私は周りの視線が気になって目を白黒させていた



「なぁ?」


「………」


「美鈴?」


「え!?あ、はい!?」



不意に自分に振られてびっくり


「今日も放課後テイクオフ来れば?綾香ちゃんもトビーさんに会いたいって」


綾香が橘先輩の向こうから顔を出し


「行きたい行きたい!美鈴いこ〜」


そう楽しそうに言う



この二人、この視線に気づいてないの?


「は、はあ…」



「「どうしたの?」」



ああ…ノーテンキな二人…


性格が似てるんだな…



「ところで橘先輩はどうして美鈴に声かけようと思ったんですか?」


綾香は私を気にした様子もなく橘先輩に再び話しかける



でもその質問…


私も少し気になってた


だから自然と会話に耳を傾けていた