美鈴の家の近くまで来ると少し息を付いて立ち止まる



確かこの辺りだった



いつもここに来るのは夜だったから、昼間の印象はまるで違っていて少し見つけるのに手間取る



そして思い出す



ああ…



あの角をいつも曲がっていた



いつもあの角を曲がるまで美鈴が見送ってくれたのだ



それを思い出して勢いよくその角を曲がる




すると一際目立つ家を発見することが出来た



俺はその家が彼女の家ではないことを願いながら近づく



近づきながら、その場所に行くことを体が拒否していることに気がつく