キミがいた夏~最後の約束~







「どどどどどーゆーことなの!!!???」


橘先輩が行ってしまうと、私の手をガッシリ掴んで詰め寄ってくる綾香


綾香の気持ちはわかるけど落ち着いて!


私は昨日の経緯を手短に綾香に伝えた



「うそー!?そんなことあったのー!!うわぁ~うらやましいー!!でかした美鈴~!!」


「アハハ、なんか…ねー?」


私は曖昧に笑って見せたけど
自分でもどうしてこんなことになったのか、まったくわからない


ただ…声援隊の視線が痛い…



間もなくして


「わりぃ、行こっか」


先輩の低くてよく通った声が聞こえて振り返った


昨日と同様に制服に着替え、濡れた前髪をピンでとめている橘先輩


立っているだけなのにカッコいいって…


綾香を見るとキラキラと目を輝かせている…

綾香…こわい…



こうして

綾香、橘先輩、私

っという奇妙な並び方で


声援隊やその他の皆さんの大注目の下


世にも奇妙な登校が始まった