キミがいた夏~最後の約束~





「今から着替えてくるから、ここで待ってて」


「へ?」


「一緒に学校いこう」


「「「えーーーー!!!」」」



私の心を代弁したように響く声援隊の声

途端に辺りがザワザワしだす



「ちょっ、ちょっと、ちょっと…先輩…!!」



私が着替えに向かおうとする先輩を呼び止めると、橘先輩は顔だけこちらに向けて『何?』っというような顔をする



「あの、ですね…私!友達とここで待ち合わせしてて…あの…」


何がなんだかわからなくて変なしゃべり方の私


橘先輩はまたサーフボードを持っていない方の手で私の方を指差す



「友達も一緒でいいよね?」


「……?」



後ろを振り向くと、口を開けっぱなしの綾香が
何も言わずに、まるで壊れた人形のようにコクコクと顔だけ縦にふっている



橘先輩はそれを確認すると再び歩き出して行ってしまった