キミがいた夏~最後の約束~





立ち聞きはよくないと思いながらも、内容は耳に入ってくる



「今日…?無理…俺、今ケガしてんの」



誰かと会う約束してるのかな…



「だから明日も無理なんだって…」



もしかして女の子かな…


どうしよう…


いきなり戦意喪失…


あ…使い方違うか?


えっと戦線離脱…


ああ全然違う…


なんだろ、えっと…


やっぱ戦意喪失でよかったんじゃない?


そんなバカな現実逃避をしていると


橘先輩の部屋のドアが突然開いた



━━━━!?



心の準備も出来ないままにいきなり橘先輩が目の前に立って
驚いた顔で見下ろしている



え…なんで…


あ…



「足…先輩…足は…」



グイッ━━━……!!



そう言って焦った声が橘先輩に抱きよせられることによって遮られる


あまりに強い力で抱き締められるから息が苦しい


「た…ちばな…せんぱ…」


私は橘先輩の背中に恐る恐る手を回した