キミがいた夏~最後の約束~




……‥サザザ━ッ……‥

ザザーッ………‥

………サザザーッ……‥‥





私は仕事が終わって食事を済ますと


海に来ていた


静かな海に波の音だけが響く


昼間の暑さが嘘のような心地のよい少し冷えた夜風と静寂


空には綺麗な月が浮かんでいて
暗い中にも充分な明るさをもたらしてくれた



「海、久しぶりだな……」



やっぱりここに来れば落ち着く


私は砂浜にお尻を付けて膝を抱え込むように座ると、海をしばらく眺めていた


橘先輩には無視されるかもと思いながらも一応メールした


《退院おめでとう、無理しないでね(^^)》


そんな短いものだけど


返事もシンプルなものだった


《ありがとう、わかった》


その文字が橘先輩が打ったのだと思うだけで胸がキュンとする


私は携帯電話に付けているストラップを眺めながら


過ぎた日のことを思い出していた