「んじゃ、じっとしとくから美鈴からキスして」
え!?
橘先輩は座った状態のまま目を閉じる
え…
嘘…私から?
恥ずかしいよ…
「早く」
橘先輩は目を閉じたまま私にキスを催促している
もう…このイタヅラッ子め…
私はそう思いながらも橘先輩に近づいて
橘先輩の顔を覗き込んだ
綺麗な顔…
長い睫…
こんなに近くでじっくり見るの初めてかも…
そしてゆっくり自分の顔を近づける
コンコン━━‥‥
ガチャッ━━……
「検温でーす」
そんな声がして突然、さっきの看護師さんが病室に入ってきた
私は橘先輩に近づけていた顔を急いで引き上げて振り向くと、こちらを睨んでいる看護師さんと目が合った
「病室で変なことはしないで下さいね」
やっぱり気付いていたようだ
「あ…すみません…」
看護師さんに体温を取られながら橘先輩が舌を出して、私に向かって手刀を切っている
私はドキドキしながら看護師さんが病室から出ていくのを見送った



