「お前の女ならこれ見ろや!どーしてくれるんだよ!」
そう大声で言いながら、濡れた服をアピールする真ん中の背の低い男
私は泣きそうになりながら首を横に振っていた
まわりの人達もその騒動に気づいたのかチラチラとこちらを見ているけど助けてはくれない
それどころか巻き込まれたくないとばかりに私たちの周りだけ空間が出来ていた
橘先輩はそんなことを気にした様子もなく
「ほんじゃこれクリーニング代ね」
そう言って千円を彼らに渡すと私を振り替えって『行こう』と手を引く
「橘先輩…」
「いいから行くぞ」
そう言って走り出す
「待てやこらぁ!!」
男たちは何をそんなに怒ったのか、突然私たちの会話に反応して追いかけて来た
「しつけーな…」
橘先輩は走りながらチラリと後ろを振り返り
「美鈴、もうちょい走れる?」
「…はぁはぁ…うん…」
体力不足ですぐに息が上がる体を無理やり動かして走る
浴衣を着ているせいですぐに追い付かれそうになったけど
寸でのところで人混みが上手く邪魔をしてくれた



