キミがいた夏~最後の約束~




「あの…すみませんでした…」


私は変なトラブルになりたくなくて
そのジュースの掛かった人にハンカチを差し出すと
さっさと謝ってその場を去ろうとした


でもその男は薄ら笑いを浮かべたまま、私を物色するような目を向けると


「いいよ、今からちょっと付き合ってくれれば」


笑いながら私の差し出したハンカチではなく私の手を取ろうとした



やだっっ━━━━!!



そう思って顔を背けたけど、私の手は掴まれてはいなかった


恐る恐る前を向くと橘先輩の背中がそこにあった



「あ……」



私は安堵のため息を漏らしながら橘先輩の背中にしがみつく


よかった…


でも…どうしよう…



「何?お前?」



相手の男がイライラした口調で橘先輩に声をかけるのが聞こえる



「あんたらこそ何?そんなナンパもう流行んないよ」


橘先輩は悠々とそう答えて私を振り替えると大丈夫、そう言って前を向いた