久美も私に気づいたのか近くまで来て立ち止まる
そして連れの人に一言二言声を掛けてから私の方にゆっくりと近づいて来た
橘先輩は私の視線に気づいて久美を見つけると、何も言っていないのに手を離して私との間に距離を取ってくれた
「美鈴…久しぶり…」
久美がフンワリとした顔で笑う
ああ、こんな久美の笑顔、本当に久しぶりだ
「うん…元気だった?」
私もそれに答えるように笑いかけた
お互いに浴衣が似合ってるね、なんて言い合いながら
他愛のない話をした後、久美は遠くにいる橘先輩に目をやった
「橘先輩とうまくいってるんだね…?」
「うん…」
「よかった……」
そう言って心底安心した顔をする久美
「久美は?あの人…彼氏?」
私は久美が一緒に来ていた男の人を見ながらそう言うと
久美は静かに首を横に振る
「ううん、まだ…って言ったらあれだけど…アタック中?
ほら、前に言ってた…クラスの気になってる男の子…」
私はそう言われて、もう一度その彼を見る
遠くてよくわからなかったけれど、その人は私もよく知るクラスメイトのようだ



