キミがいた夏~最後の約束~




花火大会の場所に近づくごとに、少しずつ人が増えていく


カップルもたくさんいて皆、それぞれ楽しそう


昔、これと同じ光景を羨ましそうに見ていたことがある


私には無縁のことに思えたからだ


それが今は橘先輩が隣にいて手を握ってくれている


とても不思議な感じがする


花火が上がるまでまだ時間があるので、私たちは屋台を見て回ることにした


でも同じことを考えている人ばかりなのだろう


相当そこは混んでいた



「うわぁ…すごい人…」


「だなぁ…」


どの屋台にも行列ができており、ただ歩くにしても人にぶつからない様にするには至難の技だ


その光景を見てお互いに少しウンザリしながら道の端の方によけていると


遠くの方から歩いてくるよく知っている人の姿を、人混みの中から見つけた


私はその瞬間…少し泣きそうになってしまう



「久美……」