キミがいた夏~最後の約束~





「あの…三池くんは私と境遇が似てて…」


橘先輩は黙って私を見下ろしながら聞いている



「中学の頃に…お父さんが自殺で亡くなってて…
前に都さんが話してたこと覚えてない…?」



すると橘先輩はすぐに思い出したのか小さく頷いた


「私たち…同じ状況だったから…同じ痛みを持っていたから…話してみたかったの…」



そして言ってはいけない一言を口にしてしまう



「三池くんには私の気持ちがわかってもらえそうな気がして…」



そこまで言って俯いていた私の目に橘先輩の手が目に入った



「なんだよ…それ…」



その手は強く握られて小刻みに震えていた



「━━━━━━━━━━━━━━俺にはわからないって言いたいのかよ!!」


━━━━━━━!?




頭が真っ白になった


橘先輩が私に背中を向けて行ってしまう



「え…橘先輩……」



私は咄嗟にその腕を掴もうと手を伸ばした



「ちが…待って……」