キミがいた夏~最後の約束~





橘先輩はしばらく歩くと、人通りの少なくなった道の脇で止まり私に振り向く



私は橘先輩の目を見ることが出来なくて、ずっと俯いていた



「あいつと何してたの?」



私はその言葉に何て答えたらいいのかを考えて黙っていたけれど
その質問には答えずに自分の疑問に思っていたことを取り敢えずぶつけてみることにした



「橘先輩は…今日は県外に行くんじゃ…」


「俺の先輩の車がトラブって、直すのに夕方までかかったから行くのを明日に延期した」



私の質問が言い終わらないうちに、ぶっきらぼうにそう答える橘先輩


「で?そっちは?」


「……私は…」


それでもどう言えばいいのかわからない…


ただ話していたそれ以外ないのだけれど


とても信じてもらえるとは思えなかった



「俺がいない間にあいつと浮気?」


え…


顔を上げると、橘先輩はひどく悲しそうな顔をしていた



そんなワケない

どう言ったら信じてもらえる?

わかってもらえる?



「違うの…話をしてただけなの…」


「話って?」


そう聞かれてまた口ごもる


「普通の話ならテイクオフで会った時にすればいいだろ?」


その通りだった


変に言い訳して


橘先輩に変な詮索や疑いをかけられるのは嫌だ


それならちゃんと話そう、そう思った


でもそれは間違いだった