「た…ちばな…せんぱ…どうして…」
私は余りの驚きで言葉を上手く発することが出来なくて、ただ橘先輩を茫然と見上げていた
三池くんも微動だにすることなく、いつもの冷たい視線を橘先輩に向けているけれどきっと驚いている
あまりの突然の登場に整理しきれない頭のままそれでも座っていると、橘先輩が私の腕を掴んで立ち上がることを促すように引っ張った
「帰るよ」
そう言って奪うように伝票を手に取る橘先輩
「あ…いいです、俺が払うんで…」
三池くんがすぐにそう言って橘先輩から伝票を受け取ろうとするけれど
橘先輩はイライラした口調で
「お前におごってもらう筋合いないから」
そう言って私の手を掴んだままレジに向かい
お金を払って喫茶店を飛び出した
橘先輩を見ると、この近くのサーフショップの袋を提げている
どうしよう…
県外に行ったんじゃなかったの?
私はドンドン歩く橘先輩に腕を掴まれ、それに走って付いていくので精一杯だった
喫茶店に入った時見た、名前も知らない赤い花が
誰かに踏まれて地面に倒れているのが見えた



