キミがいた夏~最後の約束~




抑揚のない静かで冷たい話し声


彼はいつからこんな風に話すようになったのか



「ただ現実のことと受け止めるには時間がかかった」


その顔に色はない、何もかも取っ払ったとても悲しい顔



「気づいた時にはもう飛び降りてた」



私は机の上に置かれる三池くんの手に自分の手を伸ばしていた



「俺はあの人を見殺しにしたようなものだ…」



彼の手は予想外に暖かかった


彼は私の手を振りほどくことなく握りかえしてくる


苦しい…


お互いの痛みが手を通じて伝わる


この人の痛みが自分のことのように理解できる


理屈じゃない


悲しいけれど経験した者でないとわからない痛み


それがそこにあった