「俺の父さん…」
私は黙って彼の低く冷たい声に耳を傾けていた
「ライフセーバーだった」
え…
ライフセーバー
その言葉を聞いて
私が思い出すことなど1つしかない
あの日
たっちゃんと溺れた日
私がこの世の罪と罰を引き受けた日
「私を助けてくれた…」
私はやっとそれだけ言って彼を見る
彼はまた静かに頷いた
「あの時…俺も近くにいて見てた…
それからも…父さんが話してて…」
え…?
「助かったのに、助からなかったかわいそうな子だって」
私はそれを聞いて息を飲んだ
あの日
三池くんのお父さんは
私が母親から受けた仕打ちをどこかで見ていたのかもしれない
『助かったのに助からなかったかわいそうな子』
私にはぴったりな言葉だと思った



