キミがいた夏~最後の約束~





そしてギュッと閉じていた瞳から一筋の涙が流れる


苦しいのと辛いのともう訳がわからなくて


涙か次々と頬を伝っていく


すると橘先輩はゆっくりと顔を私から離した



「何で…泣くの…」



橘先輩の悲しそうな声


私はそんなのお構いなしで橘先輩の腰にしがみついて泣いていた



「俺にキスされるの…嫌?」



私は首をブンブンと横に振る


嫌なわけがない


でも抑えていた思いが涙となって頬を伝っていく


そして私は溜まっていた言葉を吐き出していた



「いや…嫌だ…加奈先輩とキスなんか…しないで…」



私は綾香の言葉を思い出していた



『先輩のセフレ』



「いや…何で加奈先輩なの…何で今さら…加奈先輩とキスするの…ヒック…」




橘先輩は私を抱き締めて私の頭を宥めるみたいにポンポンと優しく撫でてくれた