私は聞き覚えのあるその声に固まった
まさか…
振り向くとそこには少し不機嫌そうな橘先輩がカウンターに座っていた
「あれ…?橘先輩いつからそこに…?」
「ずっといましたけど?」
え!?
先に言ってよぉ~っと言う目で綾香を見ると
綾香は明後日の方向を向いていて、しかも
「あ!あっちのお客さんの水が!」
っと言って逃亡を図った
うう…裏切り者…
「で…?」
私はそう言われて恐る恐る先輩の方を見る
「その男がどうしたって?」
手に顎を乗せ、くわえたストローを上に向けながら私を不機嫌そうに見ている
う…明らかに怒ってる…
ここは取り敢えず話を変えよう
「橘先輩は今日はサーフィンしないの?」
「朝してきた」
会話終了
どどどどーしよ
もう会話が終わっちゃった
私が次の会話を考えようと焦っていると
「お前さ~」
「俺のこと好きなの?」
え?



