靴を脱ぐ暇も与えられないぐらいにグイグイと引っ張って家の中に入っていく
「お父さん………!」
するとお父さんは掴んでいた私の腕ごと、勢いよく私をリビングに突き飛ばした
ズダンッッッ━━━━!!
大きな音と共に派手に転んで近くにあった椅子に腕を強く打ち付けてしまった
痛い、痛い───…
でも決して口に出してはいけない
「お前は最近俺と顔を合わせないように何してるかと思えば!!
あんな男と毎晩、遊び歩いてるのか!!」
バシッッッ━━━━!!
更に平手打ちの音が静かなリビングに響いた
私は弁解も言い訳もしない
ただ殴られた所を手で押さえて黙って下を向いているだけだ
それがお父さんの勘にさわったのだろう
頭のてっぺん辺りの髪の毛を手で掴まれて上を向かされる
「…う……」
「お前…そんな立場なのか…?」
今度は静かに問いかけるお父さんの声に体がビクリと反応する
「お前は俺から逃げ回る権利はあるのか?」
「う…うう……」
「お前のせいで何もかもなくなったんだぞ!!
お前が卓も母さんも殺したんだぞ!!」
私の頬を涙が溢れ出す
カラカラになった喉でなんとか声を出そうとするが声にならない
「ご…め……なさ…」
私は謝ることしか出来ない
「ごめ…さ…い…」
こんな言葉なんの意味もない
「ごめ……ん…な…さい」
謝って許されるわけもないけど



