「あ…先輩、ここで…」
家の近くまで来て、スカートのポケットの中の鍵を出そうとしたら
取り出す途中で引っ掛かってしまい、鍵を橘先輩の足元に落としてしまう
橘先輩はそれをヒョイと拾い上げて私の前に差し出してくれた
チリリーン━━……‥‥
鍵に付けていた2つの鈴の密かな音が暗闇に響く
私は受け取りながら愛しそうに、その鈴を撫でた
落としてゴメンネ…
そんな意味をこめて
「思い出の鈴?」
そんな橘先輩の質問に顔をあげた
「うん…」
そしてまた愛しそうに鈴を見つめる
そう、これは私の一番大切な宝物
鈴に視線を落としていたせいで、橘先輩がそんな私をジッと見つめていることに気づきもしなかった
「好きだった人からもらったとか?」
驚いて橘先輩を見ると、先輩は少し悲しそうな顔をしていたから
私は顔をブンブンと大袈裟に振った
「違う違う!」
「そーなの?」
「うん…これは…」



