「そこは普通『私もがんばる』だろ?」
「無理、大学に行くお金なんてうちにないもーん」
「……現実的…」
先輩はパッと私の肩から手を離してまたポケットに手をつっこむ
「んじゃ、高校卒業したらどーすんの?」
その質問にドキリとした
卒業したら?
私の未来?
そんな当たり前のフレーズが、自分にはまったく現実味を帯びてこなかった
どこか他人事のように虚しく響く
「いや、まだ…全然考えてないや」
何も考えられないと言う方が正しいのかもしれない
自分の未来なのにそれが自分の手の中にはないように思えて
ただ
橘先輩の未来…
そこに私は存在しないような気がした



