キミがいた夏~最後の約束~





橘先輩はトビーさんを睨みながらポケットに手を突っ込んでテイクオフから出てくる


そのいつもの光景に
また笑顔が溢れる


「んじゃ帰ろっか?」


「うん」


帰りは暗くなるので先輩が必ず家の近くまで送ってくれた


初めて橘先輩と会った時に送って貰った帰り道のことを思い出す


あの時はなんだか必死に謝ってたような…


あれからもう1ヶ月が経とうとしていた



「月曜からテストだな」


「うん、考えるだけで気が重い…明日、1日でどうにかしなきゃ…」


「まあ俺はこう見えて勉強してるぞ?」


「そうだね…」



私は家に帰りたくないせいでテスト期間ギリギリまでバイトをさせて貰っていた


橘先輩はそんな私に付き合ってテイクオフに来てくれたけど、お店でよく勉強している姿を見かけていた



「そういえば…」


確か橘先輩もK大受けるって、綾香達が前に言ってたな


「先輩、K大受けるんだっけ?」


「え?なんで知ってんの?言ったっけ?」


「いや、普通に噂になってるよ?」


「いやぁ〜まいったね」


「………」


無言で橘先輩を見つめる私の肩を、先輩は自分の胸にやさしく引き寄せる


「美鈴もK大がんばれば?」


「無理だよ、私はアホだから」


「………」



あ…拗ねた


本当に橘先輩って意外と子供っぽい