「あ〜すっげ〜キレイな月〜、お?星も出てる!」
セイヤが子供の様にはしゃいでバルコニーに出ていく
私はそれを見ながら彼の背中に声を掛けた
「今度はそっちの種明かしをして」
するとセイヤは顔だけ振り向いてニコッと笑う
「俺どっかでヘマしちゃったみたいだな、真琴が全然驚いてない」
「充分驚いたっつーの!」
「ははっいいなその話し方」
「…っ…そんなのいいから、教えろ!」
私は照れ隠しもあって少し強めにセイヤに話を急かす
セイヤは私に向けていた背中をゆっくりと返して私に向き直った
するとセイヤの後ろには月と星が輝いていてセイヤを優しく照らす
何かの映画のワンシーンのようで目が離せなくなる
男の人をキレイなんて思ったことなかった
セイヤは月と星をバックに、笑顔を称えながらゆっくりと口を開いた
「俺の名前、柚月セイヤ」



