は?
『セイヤ様』?
様…?
様なんて、普通に暮らしてて冗談以外で使う瞬間ある?
しかもスタッフに使う言葉でもないし…
私はセイヤに引っ張られている手に力を込めた
するとセイヤはそれに気づいて振り返る
「あんた何者なの?」
「ん?」
セイヤのキレイな顔
今日していたどの顔とも違う
男の顔
セイヤはゆっくりと目元に付けていた仮面を取ってポケットにしまった
「何者って…怪人二十面相?」
ゾクリッ━━‥‥…
その笑顔があまりにも怪しく、そしてその瞳があまりにもキレイで吸い込まれそうになる
「今日のターゲットは君のハートってとこかな?」
そして私は呪文でもかけられたように、セイヤに導かれるまま月が綺麗なバルコニーへと足を進めていた



