「このお顔が目にはいった?」
私が今まで被っていた鉄仮面を片手に、得意そうにそう言うセイヤ
水○黄門が好きなのかも…
「どう?これでもお前らの考えと大差ないって言える?」
そう言われて、今まで私を責めていた連中を見渡す
セイヤは私に近づき持っていたマイクを私に握らせると、何か話すように促した
ええ!?
この状況でしゃべるの!?
何を言えばいいの?
ステージの下から皆が私に注目している
かなり焦って考えても、何も思い付かない
さすがに『おまんら許さんぜお』をもう一度言うわけにもいかなしなぁ…
そんなことを思いながら、ステージ上からゆっくりと下を見下ろしていた
そこにいる全員の驚いた顔
私が今だから言えることって何だろう
私は意を決して、ポツリポツリとゆっくりと話し始めた
「私は見た目で人を選ぶことを、100%悪いって言ってるんじゃなくて…」
この声が誰かに届くように
「もちろん人間だから…見た目の好き嫌いはあると思う…それは否定しない」
この会場に私と同じ気持ちを抱いて来た人がいるかもしれない



