押し込めてられていた髪がパラパラと私の肩に降り注ぐ
「え!?嘘!?」
半分遮られていた視界がいきなり開けて、肌に暖かな空気が直接触れる感覚
「ナンノちゃん…超キレイ…女神だ…」
『肌に風があたっちょる…』
なんてセリフは言わないでおいたけど
「何あれ!?ブスじゃないじゃん!」
舞台の上で私は
他の誰でもない
何も隠してはいない
「ナンノ最高!」
心は丸裸、それどころか今まで被っていたのは鉄仮面
今さら冗談でしたでは済まされない
「しかもあんなとんでもない性格…」
けれど誰に恥じることのない本当の私
向坂真琴の素顔をさらけ出していた



