「で?何しに来たの?」 ホテルに着くなり眉間に皺を寄せた大翔に、あたしはわざと明るく笑った。 「婚約者だもん。どうしても愛する人に会いたい夜があったって仕方ないじゃない?」 愛するが故にだよ。 そう言ったらいつものように優しく笑って抱き寄せてくれると思ったけど 大翔の態度はあたしの、ほんの僅かな期待を裏切った。 「子供の恋愛じゃないんだからさ…わざわざ出張先まで来なくてもいいじゃん?」 大翔の言い分が分からないわけじゃない。