『…紗雪、俺の話しを聞いてる?』 「えっ?あっ…うん!」 耳元で聞こえた大翔の声で我に返ったあたしは 思い切り頭を振った。 あの夜以来… あたしは頭がおかしくなっちゃったみたいに 自分でも気付かないうちに名前も知らないあの男の事を考えている。