「もうすぐ、雑誌発売しちゃいますよ?」

「中山さんに、読んでほしいんです」

「話したいこと、いっぱいあります」

「謝りたいことも、いっぱいあります」

「早く起きてください」

「寝すぎですよ?」


手を握って、ずっと話しかけた。

もう、こうすることしか出来なかった。


でも、奇跡は起きた。


愛しい彼女は、弱々しく手を握り返してくれた。

「中山さんっ!?」

「……そ…らさ……ん?」


神様は、中山さんのことをちゃんと見てるんだ。

神様は、平等だとこの時だけは思ってしまった。