あれからしばらく後。
イケメンのカレシ、というワードが頭をぐるぐる悶々漂いつづけ、耐えかねたオレはついに聞いてみることにした。
「柚子ってさ、妹いんの?」
「はぁ。
生意気盛りが1人。
…何故知っている」
「ちょっとね。
たまたま会って」
「そうか」
沈黙。
しっかりしろ、オレ。
ちょっと聞くだけだろ?
「あー、柚子ってさ。
カレシ、いんの?」
「頭大丈夫か。
いるわけなかろう」
すんごい眉間にシワが寄った顔で答えられた。
だよなー。
んなワケないって。
そこで、この前聞いた、゛男友達゛の存在をふと思いだす。
「なぁ。
まえ友達いるっつってたじゃん。
そいつってさ、イケメン?」
「友達…?
あぁ、お前には言ったんだったか」
柚子はしばらく考えるそぶりを見せ、ごくごく落ち着いた顔でさらっと言った。
「まぁ、整った容姿ではあるな。
そこそこモテるらしいし」
イケメンじゃん…。

