「とぼけないでよ。
最近ウザいイケメンに絡まれてるって、お姉ちゃんに聞いたんだから」
「ちょ、待って。
全然心当たりないんだけど」
「はぁ、わかんないの?」
呆れたようにため息をつく美女。
派手めな女なんだけどケバいワケじゃなくて、そういう表情もサマになってるのがムカつく。
「嘘ついてどうすんの。
アンタの姉っぽい人にまとわりついた覚えなんかねーよ、ホント」
だいたいオレ、キツい女はそんな好きじゃないし。
丁寧に返事してあげたのに、女は余計襟首を締め上げてきた。
で、爆弾発言をかましやがった。
「アタシ、宮迫ほのか。
宮迫柚子の妹」
……。
この女が、柚子の、妹。
「ええええええ!!!」
オレと、そばで見てたタクムとリッコ、3人分の驚愕が夕方の空に響きわたった。

