「つーわけで、どしたらいいと思う?」
昼休み。
久しぶりに元々クラスでつるんでたヤツと飯を食っていたので、オレはタクミに聞いてみた。
「てか、マジで落とす気だったの、宮迫。
ビックリなんだけど」
「今更ビックリって、ずっとオレ柚子と一緒だったじゃん」
「うっせーな。
一週間驚き続けてたんだよ」
タクムがパーマでふわっとさせた自分の茶髪をかき混ぜた。
その仕草がなんとなく、腑に落ちない気分を物語っているようだった。
「なんでずっと話しかけてんの?」
「別に付き合いたいとか、彼女にしたいとかじゃないって。
ただ、あの子変わってるじゃん?
仲良くなったら面白いかなって。
まぁ、落ちてくれたら面白そうだけどさ。
当分は無理そーだわ」
「ふぅん・・・」
縦肘をつきながら、胡乱げな目でこちらを睨むタクム。
睨まれるワケがわからない。
「なんでオマエがそうなるんだよ」
「なんでって、気づいてんだろ?
最近放置されてたリッコとか、結構機嫌やべーよ」
「へぇ」
「へぇ、ってなんだよ、ったく。
アイツらが当たってくんのオレなんだけど?
学園の王子様ならもーちょっと上手く立ち回れよ」
「王子様?
まだそんなコト言ってるヤツいるわけ?」
「まだって、オマエはずっと王子様だろーが」
「くだんねー」

