というワケで、いったん演奏を止めて、柚子がアカペラで歌うことになった。 なんとなく、部屋が静かになる。 「宮迫さんがんば」 隣にいる西高男子が小声でつぶやいた。 アイツはウザい。 柚子は結構緊張してるみたいだったけど、しばらく深呼吸して後静かに歌いだした。 ため息が出るくらい、綺麗な声だった。 外国の歌で、何を言ってるのかはわからない。 英語じゃないのはわかったけど。 その歌をさっきまで縮こまってた柚子が、清らかに、堂々と歌いあげていた。 歌が終わると、どこからともなく拍手がわいた。