キミはリア充。



放課後になった。

「ケ~イ、合コン行こーぜ合コン!!」

タクミのテンションが高い。
というか、今日はずっと高かった。

「なぁオマエさ、今日はなんか宮迫と喋ってばっかだったじゃん?
結構ビックリだったんだけど。
え、ひょっとしてあのラブレター、宮迫?」

「さーな。秘密」

「えーなんだよ。
絶対そうだろ?
女キープしてるヤツが合コン来んな!」

オマエ、さっき行こうぜって言ってたじゃん。

「ま、フツーの友達だよ。
な、柚子?」

「ああ。
表面上の付き合いというやつだ」

背後にいた柚子に声をかけると、何故かタクミがビビる。

「みっ、宮迫、いたの!?」

「いた」

ちっちゃくて見えなかったらしい。
柚子が鋭い目つきで言い放った。

「その合コン、私も参加する。
よろしく頼むぞ」

「え、えええ!!」

両目を見開くタクミに説明してやった。

「女子1人足りねーんだってさ。
で、人数合わせに誘った」

「よ、よく宮迫がオッケーしたな。
つか、リッコはいいって言ってたのかよ」

「いいってよ。
ほら、さっさと行こうぜ。
西高の美女、ゲットすんだろ?」

「そーだったな!
ま、よろしくね、宮迫」

「ああ」

昼の感じでは恐らく初対面にも等しいであろうタクミに毅然とした声で返事をして、柚子はすたすたと先を歩いていった。

なんだか肩がこわばってる気がする。


あれは確実に緊張しているな。
オレにはわかる。
たとえ半日の付き合いでもね。