というワケで、次の休み時間さっそく宮迫を合コンに誘ってみた。
「ね、合コン来ない?」
「断る」
予想通り。
「嫌なの?」
「嫌だね」
「友達なのに?」
オレは指先を彼女のあごに置いた。
驚いて、びくっと振り返る柚子。
「友達の言うことっていうのはさ、むげに断っちゃいけないんだ。
特に、こういう場合はね…」
ツツ、と指を這わせて、ゆっくり耳を触る。
柚子は抵抗しない。
気圧されたみたいで、しかめっ面に怯えが隠れてみえた。
「断ったら、柚子に何か嫌なコトがあるかもしれないでしょ?
オレ、そういうのはやだなぁ。
トモダチだから、さ」
そのまま顔を近づけて、にこっと微笑んでみた。
「ね。
合コン、来てくれる?」
ドキン。
柚子の心臓がはねた音が聞こえた気がした。
ときめきじゃなく、緊張で。

